SmartBiz+ 導入事例

株式会社乃村工藝社

株式会社乃村工藝社は、1892(明治25)年創業、主に博物館の展示空間や博覧会のイベントなど商業空間の企画・デザイン・施工を手がける、日本を代表する大手ディスプレイデザイン会社である。
同社では、伊藤忠テクノソリューションズ(以下、CTC ※2016年まで提供)のSmartBiz+(スマートビズプラス)を、主にiPadのモバイル利用で活用している。無料アプリケーションも含めて競合が多数あるiPadのファイル共有アプリケーションの中からSmartBiz+を選定した理由、具体的な使い方と効果、使用した上での評価等を伺った。

SmartBiz+をファイル共有のプラットフォームに採用することで、
クリエーターや営業パーソンが満足できる自由なiPadの活用と、
利便性およびセキュリティ面で両立が可能となりました。

写真:株式会社乃村工藝社 経営企画本部 グループ経営推進部
情報システム課 担当部長 塩川 浩一 氏

1. 乃村工藝社は、人が集まるあらゆる施設の企画から運営まで関わっている

-- 最初に乃村工藝社について教えてください。

1892年創業で、昨年120周年を迎えました。事業内容は、集客環境づくりの調査・コンサルティング、企画・デザイン、設計、制作施工ならびに各種施設・イベントの活性化、運営管理です。提供範囲も、店舗だけでなく、百貨店のイベント会場、博覧会のパビリオン、企業のショールーム、ホテルなど、人が集まる施設全てに関わっています。

-- 乃村工藝社ならではの提供価値は何でしょうか?

創業以来のDNAは、“人々に感動を与える「空間」を創り、活性化する”ということです。我々は建造物を作って終わりということではなく、以下の3つをお客様視点から見た我々の提供価値としています。

  1. にぎわいあふれる集客空間を創ること
  2. メッセージを空間で伝えること
  3. 文化・学術系施設の価値を高めること

-- 有名な事例を教えてください。

施工実績は年間7,000件にものぼり、最近では陸前高田の「奇跡の一本松」のモニュメントにも関わりました。

2. 600名の社員が、社内会議と商談の両方でiPadを活用

-- 乃村工藝社では、SmartBiz+をどのように活用されているのでしょうか?

iPadを利用している社員のファイル共有の手段として活用しています。活用形態は大きく2つです。1つは社内会議の資料の共有。もう1つは社外での顧客との打合せ用の資料の共有です。

-- iPadではなく、ノートPCではだめだったのでしょうか?

ノートPCは資料や設計書を作るものであり、見る・見せるということに特化するとiPadの方がはるかに使いやすいというのが現場の意見です。例えば、親指と人差し指の2本で画面を拡大・縮小できるということだけでも、打合せでの利用では大きなアドバンテージだと言っています。また、特に少人数の打合せでは、1台のiPadの画面を一緒に眺めることで、お客様との距離感が縮まるとう意見も多い。したがって、社内会議や商談で使うのにはiPadの方が便利で使い勝手もよいということになります。

-- 現在の導入状況を教えてください。

グループ全体で1,385名の社員がいます(2013年9月現在)。その中の約600名が会社からiPadを支給され、一部のユーザーでSmartBiz+を使用しています。

3. テーマは「ITを活用した働き方の改革」

-- iPad導入に踏み切った理由は何だったのでしょうか?

2011年頃から個人所有のiPadやスマートフォンを仕事のために持ち込むのを目にするようになりました。提案書や画像などクライアントとの打ち合わせで活用されておりセキュリティ面で不安がありました。
その当時、経営層からも「働き方の改革への取り組み」が提起されており、社員へのヒヤリングを実施したところ、現場からも働き方を変えたいという要望がありました。ならば公式にiPadを導入することで、利便性とセキュリティ面の課題を解決すると同時に、経営者からの要望にも応えようと実証実験を実施しました。

-- どのような取組みから始められたのですか?

実証実験に賛同の社員100名を公募して選出。利便性を高めることで生産性の向上効果を測定するために定性的・定量的な見知で仮説をたててもらい、必ず行う業務と変えてほしいワークスタイルを設定して実証実験後に効果測定を行いました。

-- 実験の結果、どのようなことが分かりましたか?

毎日利用したい人の比率が70%と仮説をたてていましたが、それを上回り80%という結果となりました。
当初の想定では、外出先からメールおよびワークフローシステム(申請や承認など)を利用したいユーザーが多いと思っていました。実際にこれらについても便利だとの評価がありましたが、我々が想定していない使い方も出てきました。それは、顧客との打合せでの利用でした。実績紹介やプレゼンテーションでイメージを共有したり、デザインの修正をその場で行うことで迅速な意思決定に有効的ということでした。

-- 「働き方の改革」という観点から見た評価はいかがでしたか?

生産性の向上により労働時間の削減に効果があることが分かりました。メールを確認するために、定時を回っても帰社したり、休日出勤をしたりする社員が多かったのですが、帰社回数は導入前の1/3に減り、休日出勤する社員は60%、残業時間も30%減りました。この効果を見て、本格的な導入を決定しました。

4. 複数でデータを共有する機能が必要

-- iPadを活用することでビジネス上の効果が出ることが分かり、公式に導入に踏み切ったということでしたが、導入することでどのような問題点がありましたか?

ワークフローやメールなど社内システムの利用に関しては、アプリケーション側でアクセス制御ができます。問題は、社内外で利用するファイルを共有するしくみでした。まずは機能面で、PCで作ったファイルやデータの共有ができることが必要でした。

-- iPadの標準であるiTunes(元々は音楽ファイルの共有ソフトだったが、iPadではPCとのデータやアプリケーション連携でも使われている)やAppleが提供しているiCloud(クラウド環境)では問題があったのでしょうか?

iTunesやiCloudでは複数の利用者でデータを共有する機能がありませんでした。機能だけで考えるとフリーソフトにも良いものはたくさんありますが、安全性という面では導入に致りませんでした。そこで、「ストレージサービス」を調べることにしました。

5. コスト・セキュリティ・機能で最も優れていたのでSmartBiz+に決定した

-- 「ストレージサービス」に関して評価したポイントを教えてください。

いくつかのサービスを導入して試してみましたが、セキュリティ・機能・コスト・管理方式・サポート体制等を重要視していましたので、全てに満足いく製品に出会えませんでしたがSmartBiz+がそのなかで最も優れていました。

-- 以前導入していたサービスと比較して、SmartBiz+が良かった点を教えてください。

まずコストです。自社の規模で調達していたら実現できない費用でご提供いただけました。

さらに、セキュリティについてもSmartBiz+はデバイス制御が可能です。これは特定の端末からしかログインできないという機能で、たとえばIDとパスワードが漏洩したとしても、外部から端末に侵入される危険性が低いということです。

また、機能面でもSmartBiz+の方が優れていました。他のアプリケーションとのデータ連携が優れていたため、2次加工もスムーズに行うことができました。

以上を高く評価し、2013年の2月にSmartBiz+を導入しました。

6. 導入は簡単で利用者への教育も必要なかった

-- 導入は簡単に終わりましたか?

契約を決めたらすぐに使用可能となりました。面倒なことや難しいことはありませんでした。

-- 問い合わせから利用開始までのCTCの対応はいかがでしたか?

これは導入担当者の話ですが、質問を投げかけたら遅くとも半日のうちには返答があったということでした。十分なクイックレスポンスだと評価しています。

-- 実際に使用した上でのSmartBiz+の評価を聞かせてください。

ユーザーインタフェースが非常に良いと思います。殆どの操作がドラッグ&ドロップで可能です。直観的なので、利用者から社内ヘルプデスクにSmartBiz+の操作に関する質問はほとんどありませんでした。

-- 利用者教育の必要はなかったのですか?

SmartBiz+の解りやすいマニュアルの中から操作や設定に関わる部分を抜粋して配布しただけです。格別な利用者教育はしていません。

7. 利用者の評判は上々

余計な手間が省けて、本ライン業務に集中できる環境になったと、ユーザーの評価も上々です。

-- 定量的な効果はありましたか?

会議資料のデータをSmartBiz+で共有している部署では、資料印刷を無くすことができました。
金額は明確には言えませんが、大幅なコストダウンになっています。

-- 利用者からの評判はいかがですか?

データの集約・発信をペーパー資料として人数分準備していたため、以前はかなりの手間だったが、現在ではファイルのドロップという1つの操作でデータ共有ができるようになり楽になったと聞いています。

セキュリティレベルに関しても、フォルダ単位に細かく設定できるので安心です。アクセス権限のような基本的な設定はもちろん、端末内にファイルを残す時間の設定なども利用部門の管理者が簡単にできます。

業務面では、イメージや写真を簡単に見せられるようになったので、打合せもスムーズに進むようになり意思決定も迅速にできるようになりました。

全般的には、余計な手間が省けて、本来の業務に集中できる環境になったという評価です。今のところ、悪い評判は聞きません。

8. CTCへの評価と期待

-- 今後の展開について教えてください。

当社はクリエイティブ集団なので端末としての利用形態は、できるだけ利用者の希望に応えた自由な形にしていきたい。iPadを利用する事で、より具体的なプレゼンテーションや、即時にデザインのイメージを共有することが可能となります。
一方で顧客情報やアイデアに満ちた重要な情報を持ち運ぶことになるので、セキュリティについては可能な限り堅牢にしなければなりません。この二つの両立が難しい条件を、全社員に展開しながらも満たしていく必要があります。

-- このような状況でCTCに期待することは何ですか?

利用者にも管理者にも使い勝手の良い方向にSmartBiz+を進化させていって欲しい。
例えば、パスワードの再発行については利用者が画面上で要望すれば、あとは自動的に完了するようになど一部機能を利用者に公開できるようになれば管理者の負担が減り、より重要な管理業務に専念できるようになります。

-- 最後にCTCに対する評価を聞かせてください。

セキュリティに関しては、一度の漏えい事故で信頼を失ってしまいます。データを預ける先は信頼性の高い会社でなければなりません。信頼性を評価するポイントとしてどんな取引先があるかを我々は調べますが、その点でCTCには大きな安心を感じます。

また、先ほどSmartBiz+に対する要望を挙げました。中には難しいものもあるかもしれませんが、CTCのクイックレスポンスを見ているので、必ず対応してくれるものと信じています。

-- 本日は、貴重なお話をありがとうございました。

株式会社乃村工藝社 http://www.nomurakougei.co.jp/

SmartBiz+とは

iPadの業務活用推進には、社内外でデータを共有するための仕組みづくりが重要です。クラウド型ストレージサービス「スマートビズプラス」の詳細はこちら。

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「デバイス制御」や「アプリケーションデータ連携」「ドラッグ&ドロップによるファイル操作」など、スマートビズプラスの管理者/利用者向け機能をご紹介。

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